クリップ型の小型カメラを購入ました。
最新型(らしい)クリップ型スパイカメラを使ってみましたが、なかなか悪くない選択だったと思っています。
購入するにあたってクリップ型カメラの類似品、別形状の隠しカメラ・スパイカメラと比較検討してだいぶ悩みました。下調べした結果と使ってみた感想を踏まえて「機能的に他の製品とどう違うのか」「実際使ってみてどうだったのか」をまとめます。
クリップ型カメラの購入を検討しているなら、現時点(2021/12)では こちらの商品を選んで間違いではないと思っています。
また、別形状の小型カメラと迷っている場合、あなたの目的・用途に合ったものかどうかを確認するための参考になれば幸いです。
製品名称について
こちらの商品はおそらく中華サイトから仕入れたものを各業者が販売しているものなので、販売元や商品名が統一されていません。
- JET-FOX(P.P)
- TB-M15(Tokyoベストレンド)
- RAKU 小型カメラ(RAKU)
便宜上、この記事では《最新型クリップカメラ》と書きます。
見た目が同じであれば中身は同じ商品です。
そのときに安いところか信頼できそうな販売元から購入してください。
最近は小型カメラでも4K対応の商品が出てきたので、これから購入するなら絶対に4K対応のカメラがいいです。以前までの1080pカメラだと残念な映像になって後悔することが多々あります。

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クリップ型小型カメラ比較
クリップ型カメラも類似品が様々あります。まずは明らかに機能が劣っているものや世代が古い商品を選択肢からはずし、まともに使えそうな商品にしぼりました。
※この場合の「まとも」は「”中華製品”の品質基準として見たら”まとも”」という意味です。

この4つの製品が比較的まともそうで、これ以外の製品は粗悪品かボッタクリ商品として選択肢から外しました。
Amazonや楽天ではなく専門ショップで購入する手段もありますが、ほとんどボッタクリ商品なのでおすすめしません(後述)。
品質は中華製品基準
隠しカメラやスパイカメラ市場はほとんどが中華製品です。そして中華製品の最大の特徴は「中国人は商品を売るための適当な情報を出してくること」。
- “最新型”と書いてあるが”発売日”が書いてない
- “高画質”と書いてあるが実際の”画素数”は未記載で、別商品で撮影された画像を参考として掲載している
- “WiFi接続可”とあるがWiFiと接続して何ができるのか書いてない
ということで、いろんな販売ページ(主にAmazonと楽天)の情報やレビューをつなぎ合わせて、なんとか整理した機能が上の画像です。機能の有無(○―)と、詳細がわかれば具体的な内容や数字を記入しています。
例:暗視カメラ「○」→暗視カメラ機能はあるが切り替えが手動か自動かは不明
単純なカメラ性能はどれも同じ(1920×1080を撮影できる)なので書いてません。
TB-PenCAMについて

暗視カメラへの切り替えが手動なのがマイナスポイント。
手動切替でも問題なさそうですが、こういったスパイカメラは「今どの状態でカメラが動作しているのか」が外見からわかりにくいです。
物理スイッチがあればわかりやすいのですが、例えば”2秒長押しで切り替わる”みたいな仕様だと「普通に撮影したつもりが暗視で撮影してしまっていた」というミスが頻発しそうです。
また、《TB-PenCAM》は唯一「WiFi機能あり!」とアピールしていますが、実際のところWiFiで何ができるのかほとんど不明です。
- WiFiで撮影オンオフの操作ができるのか?
- WiFiでリアルタイムの映像が見られるのか?
- WiFiで撮影データをPCに送れるのか?
さすがに製品仕様の説明が適当すぎますし、WiFiついているぶん価格も高いし、機能が多いぶん不具合の可能性も高くなるだろうと判断して購入を見送りました。
MQ012 と MQ029 の違い

外形が非常に似ている《MQ012》と《MQ029》ですが、実際のところ中身は同じ製品のようです。もしこの2つで迷う場合は《MQ029》の方がボディデザイン的に無難そうです。

《MQ012》を外側のボディだけ少しアップデートしたのが《MQ029》のよう。
よく見ると《MQ029》の方がカメラ・赤外線ライト部分の凹凸が少なくなって、よりカメラが目立ちにくくなっているように見えます。(だた、中華製品は写真と同じものが届く保証はありません。)
あと、メタル素材をつかっているらしいので本体の耐久性が高そうな気がしてきます。(ただ、中華製品なので補強に必要な部分にメタル素材が使われているとも限りません。)
一番まともそう
「最新」と(中国人が)書いてあるので、本当に最新であればこの《最新型クリップカメラ》が良さそう。
発売日などの情報は見つかりませんでしたが、購入した時点では商品レビューがほぼなかったので確かに新しくできた製品っぽいと判断。
また、《最新型クリップカメラ》だけカメラ・赤外線ライト・センサー部分の形状が他の類似品と違ってフラットなデザインです。機能面がアップデートされている可能性あり。
期待も込めて《最新型クリップカメラ》を購入し人柱になることを決意しました。
隠しカメラ・スパイカメラの要件と最新型クリップカメラの評価
カメラに求める機能と《最新型クリップカメラ》がその要件を満たしているかどうかの話。
技術仕様書などが非公開なので詳細がわかりません。これを補足するための情報としてご利用ください。






サイズ・重量
隠しカメラ・スパイカメラは基本的に小型で軽量な商品が望ましいです。
クリップ型カメラに限って言えばどの商品もほとんどサイズ・重量ともに変わりません。
サイズは数ミリ〜10ミリ、重さは数グラム〜10グラム程度の差しかないので、商品を選ぶ基準としては無視して良いでしょう。
本体形状
「クリップ型」という形状はどれも同じですが、差がでるとすれば”厚さ”です。
胸ポケットやカバンなどに差し込んで使うのでやはり薄い方が良いかもしません。
《MQ012》と《MQ029》が最も薄く作られていますが、《最新型クリップカメラ》でも1センチちょっとしかありません。スマホよりは少し厚いけどタバコの箱よりは全然薄いくらいなので、胸ポケットに入れるような使い方では正直どっちでもいいです。
《最新型クリップカメラ》はフラットなボックス型デザインになっているのでテーブルの上に置いて使うこともできます。
曲面になっていたり、《MQ012》《MQ029》のように薄いけど段差があるデザインでは”置いて使う”場合の安定性が低いです。
クリップ
ポケットやカバンなどに挟み込むためのクリップがついています。
どの商品も簡易的なショボいクリップではありますが、機能としてはクリップが役割の半分でしょう。もしクリップが壊れたらカメラを設置できなくなります。
クリップ部分の耐久性などは商品説明にもありませんし、レビューを見ても真偽はわかりません。つまり買ってみてから判断……というか壊れないように使うしか無い。
最悪壊れたらクリップ部分だけDIYしようと思ってます。たぶん100均とかでクリップ買ってきてくっつければいける。
マグネットの有無
《MQ012》と《MQ029》はマグネットが内蔵されていて金属に貼り付ける形でカメラを設置できます。確かにマグネットが合ったほうが便利だと思いました……が、
よくよくレビューを確認してみるとどうもマグネットが弱いらしい。
おそらくギリギリくっつくけど、マグネットと相性が悪い金属だったり、少し振動があるだけでズリ落ちてしまうレベルの磁石だと想定できます。100均で売っているような磁石ですね。
自分でネオジム磁石などに換装することも考えましたが、磁力でカメラが壊れても嫌なので断念。最終的に磁石はいらないだろうと判断しました。
カメラ画質
カメラの画質はどれも同じで1080p(1920×1080)、約200万画素です。
720p(1280×720)しかない商品がたまにありますが画質悪すぎなので間違って買わないように。
※《最新型クリップカメラ》は画素数の設定が必要(後述)
おそらく、小型カメラに内蔵できるサイズで同じくらいの価格帯で作ろうとしたら似たようなカメラユニットになるのだと思われます。
監視カメラ的な使いかたをするなら必要十分なカメラ性能ですが、スマホのカメラなどに比べれば全然ショボいです。画質だけでなくズーム機能やソフトウェアでの映像処理なども含めて。
もし小型カメラでこれ(1080p)以上の画質を求めるのであれば1〜2万円程度の価格では無理です。なので、これ以上高性能で高価な隠しカメラは市場に存在しません。
サイズ感が近くて高性能なカメラとなるとOSMO POCKETなどのアクションカメラ・ボディカメラになります。だいたい3万円〜です。

アクションカメラの技術でスパイカメラを作ってくれればありがたいのですが、今の所そんなことをする人間は世の中にいないようです。誰かやってください。
赤外線暗視カメラ・自動切り替えの有無
暗視カメラ機能は使うシチュエーションがあるかわかりませんが一応あったほうがいいでしょう。とはいえ、多くのスパイカメラには暗視機能があります。
違いは「通常撮影⇔暗視カメラ」の切り替えが自動か手動かです。お好みでどうぞ。
また「カメラレンズ部分が可動するのに赤外線ライトは固定されたまま」という商品があるので気をつけてください。
メモリ(SDカード)対応容量
商品によって対応するSDカードの容量が違います。
《最新型クリップカメラ》は512GBのSDカードまで対応していますが、128GBや32GBまでしか対応していない商品もあります。
長時間録画したい人は購入前に確認してください。
SDカードを持っていない人は別で用意する必要があります。たまにプレゼントでついてくることもあるかもしれませんが……期待しない方が良いでしょう。
《最新型クリップカメラ》にサンディスクのSDカードが使えることは確認済みです。

最新型クリップカメラ 使用前に必要な設定


使う前に必要というか、やっておいた方がいい設定。マニュアルに書いてあることと確認したことを補足で書きます。
※販売者へ マニュアルに書いてある情報は購入前に確認できるようにしろください
パソコンでSDカードを読みこむと設定用のファイルがあるので、記述内容を希望の設定に書き換えます。
日付時間合わせ TIME.txt
時刻合わせ-パソコンとカメラを繋いでフォルダーを開き「TIME」テキストを開きます。2021-05-01,00:00:00 の 日付、時間を合わせ上書き保存します。
説明書 より
◆-年-月-日、時:分:秒
※日付時刻は簡易的なものになりカメラ内部バッテリーがなくなると初期化されます。
「TIME.txt」の日付を変更。
録画データの保存名にも使われるので設定しておく。
動作設定 SETTING.txt
とりあえず「0」で無効、「1」にすれば有効になります。
画質
1080p:0 →720pで録画
1080p:1 →1080pで録画
これは「1(有効)」にした方がいい。720pだと画質悪すぎ。
上書き録画
RECYCLE:0 →上書き録画無効
RECYCLE:1 →上書き録画有効
SDカードの容量が足りなくなったときに、古いデータから消して上書き録画するかどうか。
動体検知
MOTION:O →動体検知OFF
MOTION:1 →動体検知ON
動体検知の精度を信用していないので普段はOFFにしています。手元から離してどこかにカメラを設置しておく場合に動体検知ONにしておくと良いかと。
てか、ここは物理スイッチで切り替えられるようにして欲しい。
日付け時間表示
日付け表示(映像内に日付けを入れるかどうか)を変更。
TIME:0 で無効
TIME:1 で有効
邪魔なので無効。
最新型クリップカメラ 使用方法と感想
充電
充電されているかわかりづらい
※充電中、LED赤点灯。(パソコン接続時は赤と青 LED) 充電満タンになってもLED が消えるなどはとくにありません。
説明書 より
付属のケーブルで電源と接続すると「青ランプ点灯・赤ランプ点滅」になった。
他のケーブルで試すと「赤ランプの点灯(電源ONを示す)」となる。パソコン接続時でも接触具合によって青ランプがつかなかったりする。
わかりづらい。
充電の残量がわからない
バッテリー残量を示す表示はどこにもないので、「こまめに充電しておく」という使い方をするしかない。
2022/01/27 追記
突然撮影できなくなったことがあった。電源のONOFFでランプはつくが、撮影が開始できない状態。
これの原因がおそらくバッテリー容量の低下。撮影しなくても一定の時間がたつとバッテリーが放電されてしまう印象。ただ、バッテリー残量がわからないので検証不可。
説明書にあるように、撮影前に3〜4時間電源につないでおいた方が安心。フル充電じゃなくていいなら30〜1時間くらい充電しておけば大丈夫そう。ただ、そうしてるうちに充電残量がどうなってるかわからないので、定期的にフル充電は行った方がいい。
急速充電は使わない
アダプターは必ず出力(OUT) 5V1A のものをお使いください。たまにスマホ急速充電用で5V2A などがありますのでご注意ください。5V1A以外で充電を行うと故障します。
説明書 より
要は急速充電など電圧が高いものを使うと故障するらしいです。
録画ボタンの操作性
録画ボタン
【電源】
説明書 より
電源ON – 電源ボタン2秒長押し
電源OFF – 電源ボタン3秒以上長押し
※電源ON後無操作約1分前後で自動電源OFFになります。
【録画する】(AVI)
録画開始 – 電源ON後、10秒経ったら電源ボタン 0.5 秒押す(赤LED2回点滅)
録画停止 – 電源ボタン 0.5秒押す(待機中赤LED点灯)
【写真撮影】(.JPG)
写真撮影 – 電源ON後、10秒経ったら録音ボタン 0.5 秒押す(一瞬青 LED 点滅で1枚撮影)
補足します。
電源ONで待機中は赤ランプが点灯状態になる。このまま約1分で電源OFFとなりランプ消灯。
電源ONのあと10秒待ってから録画開始しろと記載があるが、ちゃんと起動が終わっていれば10秒待たなくてもよさそう。電源ONから2秒後くらいでも録画開始できた。
録画開始は赤ランプ2回点滅後に消灯する。
つまり、見た目では「録画中でランプ消灯している」のか「自動電源OFFでランプが消灯している」のかが判断しづらい。
ランプを見ずに手探りだけで撮影するのが非常に不安。
写真(静止画)
普通に撮影できる。
暗視カメラ
だいぶ画角が狭くなる。画角というか赤外線ライトの照射範囲が狭いという感じ?
ドアスコープから覗いたときみたいな狭い映像になる。
あと、暗視カメラの特徴として「ガラス越し」の撮影はできないので、使えるシーンは限定される。
マイク音質
クリアな音質とは言えないが、普通に音は拾える。
PCでの録画データ管理
カードリーダーやUSBハブなんかでSDカードを読み込むと普通にデータ触れる。
ただ、カメラにSDカードをセットした状態でPCにつなぐとSDカードを読み込まない。たぶんMacには対応できていない。
他の隠しカメラでもMacで読み込めないときがあって問い合わせたら「Macとは相性が悪い」みたいな回答が来たことがある。たぶんコレ系の商品は全般的にWindowsしか対応してないと思った方がいい。
Macで使う場合はSDカードをカメラから取り外して、カードリーダーなどで読み込む必要あり。
理由は不明です。
Macで使えないなら購入前にわかるように書けよクソ中国人が水餃子投げるぞ。
※2022/08/29追記
MacでもSDカードを読み込めるようになった。理由は不明。
Macのアプデに関連するのか、その時の気分でいきなり使えるようになる。
ただ、本体にSDカード入れた状態より、SDカードを直接読み込ませた方が書き込み読み込みが早い。
リセット方法は知っておいた方がいい
電源ON後10秒まってから、リセットボタンを10秒押す
製品の精度が微妙なので、たまに動作の調子が悪くなる。
リセット用のSIMピンのようなものを持っておいた方が良い。
最新型クリップカメラ の購入にあたっての補足
Amazonで購入するのが一番安い
Amazonと楽天を比較すると「Amazonの方が安い」か「どっちも同じ価格」かのどちらかでした。《最新型クリップカメラ》に限らず隠しカメラ・スパイカメラ全般的にAmazonの方が安いです。
理由はわかりません。
特に楽天でないと取り扱っていない商品があるわけでもなさそうなので、基本的にAmazonで購入するのがよさそうです。
ちなみにYahooショッピングだと隠しカメラ・スパイカメラの類はほとんど出品されていませんでした。
「返品できない」の記載は無視
《最新型クリップカメラ》のAmazon商品ページ・説明書に「返品不可」とあります。

これは嘘です。
商品説明と実際の商品に相違があったり、初期不良だったりした場合は返品・返金に応じなければならないのがAmazonのルールなはず。
「返金できない」と書いておくことで、鵜呑みして返品を諦める人がいることを狙った手口でしょう。
スパイカメラ専門ショップは使えない
ググれば出てきますが、隠しカメラやスパイカメラ・防犯カメラなんかを専門に取り扱っているショップが見つかると思います。
2〜3万円もする高級な小型カメラが並んでいます。
一見、Amazonで売ってないような素晴らしい商品があるように見えますが、実際はゴミ商品を高値で売っているだけです。
Amazonで売ってるものより性能が劣るカメラがなぜか2〜3倍の値段で売られています。
おそらく「値段が高い=しっかりした商品だ」と思い込んで買ってしまう人を狙ったビジネスのやり口。で、かなりニッチな市場なので競合も少なくて成り立ってるということだと思います。
雑誌の裏表紙にある商品みたいなもんです。
まとめ
実際に使ってみても必要十分な機能だったので、クリップ型のカメラを検討している人はとりあえず《最新型クリップカメラ》で問題ないと思っています(2021/12時点)。
というかこれ以外にもっとまともな商品があったら教えて欲しいです。

質問などあればコメントやTwitterへお願いします。
それでは、よいスパイライフを。