「すりガラス」や「曇りガラス」にセロハンテープを貼ることで透けて見えるようになるという話がありますがほぼ嘘です。
実際のところは、すりガラスの向こう側を見ることも見られることもほぼありません。
- セロハンテープで透けるタイプのすりガラスはめったに無い
- ガラスのザラザラ面は内側にあるので第三者が外側からセロハンテープを貼ることができない
「本来見えないはずのものが見えるようになる」ような表現をして、無駄に期待や不安を煽る輩がいるので本当のところを説明してみます。
「曇りガラス」は「すりガラス」を含めた不透明なガラスの総称。「すりガラス」を加工でなめらかにしたのが「フロストガラス」。以降「すりガラス」に統一して話を進めます。
セロハンテープで透けるのはごく細かいすりガラスのみ
なぜセロハンテープで透けるのか?
すりガラスと呼ばれるものは、通常のガラス面をサンドブラストによってザラザラにしたものです。砂ぶつけて細かいデコボコを作ってるってことですね。
ザラザラによって光が真っ直ぐに通らずに屈折して不透明に見えます。

セロハンテープを貼ることによって、すりガラスのザラザラのおうとつが埋められてフラットな状態に戻れば、通常の透明ガラスのように光が真っ直ぐ通るようになって、すりガラスの向こう側が見えるようになるという仕組みです。

仕組みとしては簡単ですが、実際にセロハンテープで透明に戻るようなガラスは身の回りにほとんどありません。
セロハンテープで透けるガラスなんてほぼ無い
セロハンテープで透けるガラスは存在しますが実際に目にする機会はかなり少ないです。
セロハンテープの厚さは0.05ミリくらいなので、ようは凹凸が0.05ミリ以内程度で作られているすりガラスでないと透明になりません。ザラザラが大きいすりガラスではセロハンテープでデコボコを埋めることができないということです。
また、目隠し目的やプライバシー保護目的で使われるガラスは、そもそも「すりガラス」ではなく「型板(かたばん)ガラス」が一般的です。

すりガラスは水や油分などがかかっただけでデコボコが失われて透明化してしまうくらいオウトツが小さいものです。粉を吹き付けただけのような白くボヤッとしたやつがすりガラスです。
すりガラスが使われているのは主に室内で使う仕切りだったり、障子の紙が貼ってあるようなポジションではめられてたりするくらいです。オフィスなんかで使われてるのを見ますね。

当然こんな場所でセロハンテープを貼って隣の席を見ようとする人はいないわけです。
一方で、住宅の窓に使われるのはほぼ「型板ガラス」です。すりガラスよりもデコボコしてるガラスです。おしゃれなデコボコを作っているデザインガラスもありますね。
試しに、あなたの自宅や外を歩いているときに目に入る建物の窓を見てみてください。ほぼすべてボコボコしてる型板ガラスなはずです。

型板ガラスは水をかけたりセロハンテープを貼ったりしても透明になりません。
ですので、実際問題としてセロハンテープを使って窓を覗かれることもなければ覗くこともできません。
これが1つ目の理由です。
セロハンテープを貼る行為が実行不可能
仮に、セロハンテープを貼ると透明になるような「すりガラス」を見つけたとします。しかし、すりガラスにセロハンテープを貼ることはできません。
ガラスは基本的に片面がツルツルで片面がザラザラです。で、ガラスを透明にするにはザラザラの面にセロハンテープを貼って、ツルツルにする必要があります。
しかし、通常はザラザラの面が室内になるように設置されています。傷や汚れ防止のためだと思いますが、窓の内側がザラザラで外側がツルツルということです。

つまり、すりガラスにセロハンテープを貼るなら、一旦室内に侵入して内側からセロハンテープを貼る必要があります。
ということは、建物内に入れない第三者にはセロハンテープマジックは使えないということになります。
これがセロハンテープですりガラスを透明にできない2つ目の理由です。
まとめ:窓ガラスの向こう側を見通すのは無理
- 窓にはすりガラスではなく型板ガラスが使われるのでセロハンテープでは透明にならない
- すりガラスがあっても内側からセロハンテープを貼ることはできない
ということで、無駄に期待や不安を煽って再生数を稼ごうとするYoutuberには注意してください。
じゃあ、窓の向こうをどうやって見通すのか?はここでは言いにくいので、チャンネル登録なりTwitterのフォローなりしてくれると、どこかで口を滑らすかもしれません。
それでは。
